特装製品の歩み

HISTORY OF SPECIAL EQUIPMENT PRODUCTS

1980 - 1990

教習車からサーキット、
雪上まで特殊用途に果敢に挑戦

ヤマハエンジニアリング(株)設立
(現在のヤマハモーターエンジニアリング(株))

1980

1983

二輪教習車開発を開始

市販車を改造した特装車開発の開発(XS400)。XS400は、その後FZ400、XJ400などモデルチェンジを繰り返していく。

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1984

FZ750レースキット設定で
キット事業スタート

性能向上技術を投入した製品の市販化。
ヤマハレースブランドチャンネルで自社ブランド商品として販売を開始する。

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コンピューター教育/機器販売事業開始

1985

FZ750をベースに白バイ艤装を開発

警視庁向け量産モデルの艤装品の設計を受託。
艤装設計=YECの礎となる。

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(株)ワイ・イー・シーに社名変更

1986

1987

スノーモビルパトロール仕様/
防衛庁仕様開発

市販車両の特装仕様として、パトロール仕様の開発・専用部品の販売事業を開始。
その実績は、陸上自衛隊向けの専用車両の開発、専用部品の供給事業に発展した。

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1989

TZR250TT-F3車両コンプリート開発

プロダクションレース規格TT-F3向けTZR250(後方排気)コンプリートマシンを開発。
ヤマハレースブランドチャンネルでの販売も行った。

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1991 - 2000

ビジネスユースや消防・白バイ
など、開発領域をさらに拡大

1991

生産技術部門のホームベースとして
「テクニカルラボ」が完成

1991年6月、磐田市天龍に初の自社屋「テクニカルラボ」が完成。生産技術部門の砦となり、自動組立・搬送システムの設計開発と製作が行われた。

1992

モーターサイクル用アクセサリー/
ゴルフカーアクセサリー開発開始

ヤマハ発動機(株)部品事業部のニーズに応えてアクセサリー製品の開発を受託。
ゴルフカーアクセサリーについては、企画提案~設計~製作まで一貫した事業展開を行い、後の自社ブランドでの製品ラインアップにつながった。

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1993

YECブランドレースキット直販開始

TZM50R、TZR50の一般ユーザー向けミニバイクレース用パーツを開発し、ワイ・イー・シー(YEC)ブランドで販売を開始。
YEC製キットパーツを装着したTZM50Rは、ミニバイク常勝マシンとなる。

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企業理念「技術を通じて社会へ貢献し、
自らの人生を有意義たらしめる」を策定

1994

1997

消防用赤バイ開発製作

阪神淡路大震災で立証されたモーターサイクルの有効性を基に東京消防庁に企画提案し、製品化を実現。東京都内に30台の配備態勢を構築した。

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RZ50レースキット設定

RZ50の一般ユーザー向けミニバイクレース用パーツを開発。
契約バイク用品ショップにて販売開始。

1998

GEARルーフ&ボックス開発

ビジネス商材のGEARをベースに、市場の要求に応えて商品企画部門と連携し企画提案。キットとして製品化を実現した。

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YZF-R7/R6レースキット設定

ファクトリーレーサー開発と連携して欧州スーパーバイク、ストックバイクカテゴリー用性能向上パーツを市販化。

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1999

技術センター磐田開所

1999年1月、「技術センター磐田(現・本社)」完成。鉄骨5階建ての技術棟と同2階建ての整備棟を有するこの施設は、これまで積み上げてきた技術と業績を集約し、さらにステップアップしていくための高度なセンターとして機能させようというものであった。高速LANを張り巡らし、当時の浜松本社やヤマハ発動機と専用回線で結ぶなど、情報化時代に相応しい設備を整えた施設となっていた。

レーシングカートFK250/用品開発販売

世界初の量産4サイクルカートエンジンを開発。 欧州市場にてヤマハブランドで販売を行った。

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2000

日本消防協会向け赤バイ納入開始

日本消防協会が、全国の消防機関に向けた赤バイ配備事業を開始。
当社の赤バイが全国に広まっていく契機に。

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XJ900P海外白バイ開発

グローバルモデルとしての量産用白バイを開発、艤装品の供給も開始。各国に向けて出荷され、現在に続く ロングセラーモデルとなる。

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2001 - 2010

幅広い分野で培った開発力で、
ヤマハのグローバル展開に貢献

環境マネジメントシステム
ISO14001認証取得

2001

本社を磐田市に移転・YEC Europe S.r.l設立

2002

品質マネジメントシステムISO9001認証取得

2004

2005

NewモデルTT-R50開発/
TT-R50キット開発販売

得意カテゴリーでのキッズ用モーターサイクルを開発するため、市場のベンチマークによる開発指標の設定から中国での生産準備活動まで、一連でニューモデル開発を達成した。並行して、US市場に向けたレース用キットの開発・供給を実現し、ヤマハモーターエンジニアリングトータルでの開発力を発揮した。

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2006

実験設備導入

モーターサイクルなどの製品開発力と付加価値向上を目的に、エンジン実験ベンチ室/シャーシー実験室を整備棟内に導入。技術力のさらなる向上を図った。
先行/先導開発によるクライアントへの提案など、エンジニアリング会社としてステップアップにつながった。

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FJR1300AP海外白バイ開発/
グローバルに販売開始

ヤマハ白バイのフラッグシップとして、海外白バイ仕様FJR1300APを開発。量産工場での生産を前提としたアップデートにより、各国への効率的な供給を実現した。ヤマハブランドの白バイ開発はヤマハモーターエンジニアリングというイメージを定着させたモデル。

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ヤマハモーターエンジニアリング株式会社に社名変更

2007

セロー250「赤バイ」開発販売開始

セローのモデルチェンジに対応して艤装開発を進め、販売を開始。
始動性や走破性などベース車の進化とともに、艤装の開発でも顧客に合わせたカスタマイズも対応。その後も警光灯サイレンのモデルチェンジなど熟成を進めた。

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2008

New GEAR向けルーフキット開発/
販売開始

ギアのモデルチェンジ時に、ルーフキットの開発ノウハウと製品化の実績を基に開発を要請され、企画から開発、製造販売を一括で対応。特装商材のロングセラーモデルとなる。

2009

VISION2020策定

VISION2020「卓越したエンジニアリングとあくなきチャレンジシップで夢をカタチにする集団」を策定。

2011 - 2020

CASE時代を見据え、
通信・制御技術に注力

2011

大型教習車『XJR1300L』開発販売

XJR1300をベースに、大型教習車の量産化と艤装品供給を実現。

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海外白バイ『XJ6SAP』開発販売

市場の要求に応えて商品企画提案しグローバルモデルとして開発、ラインアップを拡充した。

モーターサイクル用通信アイテム開発(YDT)

ECU開発技術(ハード、ソフト)を生かして、多種の通信対応や過酷な車載対応に準拠(CEマークなど)した、メンテナンスツールを開発。

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2013

白バイ向け
ドライビングモニター開発販売

当社が培ったモーターサイクル通信アイテム開発の技術(ハード、ソフト)を応用し、白バイ向けの車両管理ツールシステムを開発。

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PAS GEAR CARGO開発

三輪の電動アシスト自転車「PAS」と脱着可能リヤカーを組み合わせ、専用設計の配送業務専用モデル「PAS GEAR CARGO(パス ギア カーゴ)」を開発。
国土交通省による平成30年度「自転車活用推進功績者表彰」を受賞した。

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2014

国内大型白バイ
『FJR1300AP』開発販売

FJR1300のモデルチェンジに伴い艤装仕様を一新。パレードを想定したクルーズコントロールの新規アイテムも開発。

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オフロード白バイ『XT250P』/
災害救援活動二輪車開発

東京都の要望に応え、実績のある赤バイをベースに仕様の見直しや追加などを行い、日本初のオフロード仕様の白バイを開発販売。
また、緊急車両装備を省き、給電ユニットを搭載した災害救援活動用の車両の開発も進め、セロー特装車シリーズの充実を図った。

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YZF-R1用通信モニターリング機器開発

モーターサイクル通信アイテム開発の技術(ハード、ソフト)を応用し、車両とスマートフォンをつなぐCCU(コミュケーションコントロールユニット)と位置情報を取得するGPSユニットを開発。

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2016

海外白バイ『MT-09TRP』開発販売

欧州や新興国で需要が高いアンダー1,000ccクラスのポリスモデルとして企画提案したモデル。
FJR1300ポリスでの開発ノウハウを生かし量産開発を実現。グローバルモデルとしてラインナップに追加された。

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2017

大型教習車『MT-O9L』開発販売

教習所の要求に応えて商品ラインアップから消えていた、大型(MT-09)、普通(MTN320)、小型(YS125)の各クラスの教習車を開発。

2019

防衛省向け警務バイク
『MTN320-P』開発

陸上自衛隊で活用される警務バイクの世代交代に合わせて、普通車クラスの白バイを企画開発。

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2021-

新たなビジョンの下で、
世界中に笑顔を届ける

2021

新VISION策定

新VISION「Engineering Smiles 技術で人を笑顔に。」を策定。

1983

二輪教習車開発を開始

教習車の開発は1985年頃より始まった。中型教習車より着手し、市販モデルをベースとして改造、艤装品を装着する仕様だった。モデルは、小型がSR125L、普通二輪(当時は中型)がXS400LやFZ400L(初期)、FZ400RL(2代目)、XJ400L、FZ400L(3代目)。そして大型がFZX750LやXJR1300Lだった。また、AT小型のXC125L、AT普通のYP400Lがあり、1983年以降すべてのヤマハ教習車で艤装部品の開発から製造、部品供給、組立までを当社が担当。この経験が、後の特装車両開発領域の礎となった。

1984

FZ750レースキット設定でキット事業スタート

市販車ベースのレース用パーツとして開発されたFZ750レースキットの販売を、ヤマハエンジニアリングの自社ブランドとして販売開始。当初はピストン、コンロッド、カムシャフト、クロスレシオミッション、ビッグボアキャブレター、クランクシャフト、ACジェネレータ、エキゾーストセット、ハーネス等を組み合わせて設定した、スプリントレースと耐久レース用の2仕様のみのセット販売だった。
その後、市場調査などからカスタマー要望を随時取り入れ、高性能キャブレターや乾式クラッチ、フロントフォークなどのオプションパーツを追加。性能向上とともに年々アイテムの充実を図り、カスタマーの高評価を得た。
併せて、国内で開催された世界選手権レースでは、サーキットでのサポートを実施し、部品供給をはじめカスタマーのレース活動に貢献。
海外では、1986年にはUSで開催されたデイトナ200マイルレースでキットパーツを装着したFZ750がエディ・ローソンのライディングで優勝。また同年、公道レースで有名なマカオGPでも、当社がレース車両製作をサポートしたFZ750が優勝を果たすなど、国内外で存在感を示していった。

1985

FZ750をベースに白バイ艤装を開発

FZ750白バイの開発は、『ネイキッド』→『セミカウリング』→『フルカウリング』へのモデルチェンジを伴っていた。また海外でのポリス車需要もあり、FZ750Pだけでなく、XV250PやXJ600Pといった各モデルの艤装品の開発・設計・部品供給を行い、各国の要求に応えた。これらのポリス車の開発実績は、ヤマハ発動機グループの社会貢献の一翼を担うとともに、グループ内外に「ポリス艤装はYEC(現ヤマハモーターエンジニアリング)」というイメージを浸透させていった。

1987

スノーモビルパトロール仕様/防衛庁仕様開発

用途に応じてさまざまなバリエーションを開発したスノーモビル特装車両。
その代表格といえるのが、当時のスキーブームを背景に増加したスキー場でのパトロール・レスキュー用途に開発したパトロール仕様や、偵察部隊の活動に特化した陸上自衛隊向け仕様だ。
第28次から32次までの南極観測隊では、南極観測隊仕様スノーモビルが活躍。隕石採取に力を発揮し、その成果は当時の国立極地研究所 隕石資料部の小島氏によってTV番組で紹介された。

1989

TZR250TT-F3車両コンプリート開発

ヤマハの主力商品である新型TZR250(後方排気)の拡販を後押しすべく、次年度モデルの先行開発を兼ねた、プロダクションレース規格TT-F3向けコンプリートマシンの企画・設計開発を行った。
コンプリート車両として10台を製作した他、スペアパーツをヤマハサテライトチームに供給。さらに一般向けとしてRC-SUGO向けキットパーツを設定し、TT-F3向けコンプリートマシン完成車として販売した。

[主な開発品]
車体:FRP製フルカウル、前後サスペンション、レース用ホイールキット
、バックステップ
エンジン:吸排気系、大型ラジエター、燃焼室、ピストン、クランク、乾式クラッチおよびレシオ選択可能なカセットミッション
電装:レース専用メーター、レース専用ECU、レース専用ワイヤハーネス

1992

モーターサイクル用アクセサリー/ゴルフカーアクセサリー開発開始

モーターサイクルのアクセサリーはベースモデルの開発と連携し、設計と評価を進めた。その後、ヤマハ発動機(株)内にアクセサリー部門が設置されたことにより機能移管されるが、信頼性評価については現在も支援を継続している。
ゴルフカーアクセサリーについては、営業部門と連携してマーケティングを展開。顧客ニーズを捉えて企画提案し、設計と製品提供を担った。また特需のニーズに対しても対応する姿勢を続け、カタログ製品以外のカスタマイズや、特約店・開発部門との協働による、電磁誘導車両を用いた自動入出庫システムの製作などに事業を拡大していった。

1993

YECブランドレースキット直販開始

TZM50R/TZR50ミニバイクレース用キットパーツの販売店向けに、「ワイ・イー・シー(YEC)」ブランドで販売。車両が本来持つ性能を引き出すための吸排気系パーツ、CDI、ハーネスなどの部品を開発し、キット化。
特に性能の要であるCDIは他社に先駆け、4パターンの点火特性を選べるデジタル式を採用。販売当初こそアナログ品に対し価格がネックになったが、性能の良さからYECのCDIなしでは勝てないと言わしめるまでに普及。アフターパーツメーカーの性能開発用機器としても必需品となっていった。やがてYEC製キットパーツを装着したTZM50Rはミニバイク常勝マシンとなり、専門誌にもたびたび掲載されるようになっていった。
1997年には、RZ50キットとして、TZM50R/TZR50で培った部品を中心に専用の車体キットを追加・販売している。

1997

消防用赤バイ開発製作

首都高速の事故対応や山間部の人命救助、震災時の情報収集などにいち早く対応するためには、モーターサイクルの機動性が大きな強みになる。その有効性が東京消防庁に認められ、開発がスタートした。
不整地やガレ場の走破性を重視して基本車にSEROW225を選定したが、求められた装備(消火器具、救助器具)が約60kgと重く、バランスの取れたレイアウトと固定方法に苦労した。
東京消防庁の二輪隊は人気が高く、競技会が開催されるなど隊員は日々の習熟訓練に余念がない。そんな精鋭たちに選ばれたことも追い風となって、全国の消防署や消防団で消防活動二輪車の採用が拡大していった。

1998

GEARルーフ&ボックス開発+C48

ビジネススクーターとして発売されたGEARの認知度をさらに高め、拡販に結び付けるために、ヤマハ発動機(株)の商品企画よりルーフの開発を依頼された。ヤマハグループではルーフの開発の前例がなかったため、メイン顧客であるピザ宅配店舗に出向いて使われ方等の市場調査から行い、評価方法等を手探りで検討していった。br> 2000年に販売を開始すると、ビジネス車両としての選択肢と魅力を増やすことで拡販に貢献。GEARに不可欠なオプションとなり、2008年のモデルチェンジ時には、ルーフキットも同時にフルモデルチェンジしている。

1998

YZF-R7/R6レースキット設定

YZF-R7は、当時市販車ベースの4サイクルロードレース最高峰であったWSBKレース参戦、および世界耐久選手権参戦を前提に、バックトルクリミッター、ツインインジェクター、オーリンズサスペンション、チタン製バルブ&コンロッド、クランクケース一体式シリンダー、などを標準装備したホモロゲーションモデルとして、世界500台限定でリリースされた。当社エンジン/ボディ開発エンジニアがファクトリーレーサー開発とレース参戦の一翼を担うとともに、これらの仕様を厳選して市販レースキット化した。
また、YZF-R7と同時にYZF-R6キットもYAMAHA発動機純正レースキットとして国内外へのコンストラクターおよびユーザーへ供給を行い、レースでのYAMAHAシェア向上などブランディングの一翼を担った。

1999

レーシングカートFK250/用品開発販売

欧州市場をターゲットに据えたテストマーケティングとして、世界初の量産4サイクルカートエンジンを目指し開発。当社にて300基を生産し、欧州市場にてヤマハブランドで販売を行った。
開発したFK250は、TT250エンジンをベースにクランクケースを新作して単速化。湿式遠心クラッチを内装し発進性を高めた他、吸排気系も刷新し、市販レーシングカートへの搭載性を高めた。
併せて高耐衝撃塩化ビニール製一体成型のボディカウルの開発、生産、販売も行った。

2000

日本消防協会向け赤バイ納入開始

東京消防庁や全国の消防本部への赤バイ導入実績が評価され、日本消防協会の寄贈事業に採用。7年間で36道府県、235台が消防団へ導入された。
2003年に東京ドームで行われた「自治体消防55周年記念大会」では、天皇陛下ご臨席の下に55台の赤バイが編隊を組んで走行を披露。赤バイの存在が全国に広く知られるきっかけとなった。
2018年には新型「セロー250」をベースにモデルチェンジ。日本損害保険協会が1952年から行っている消防用資材の支援事業に寄贈用機材として採用されるなど、さらに活躍の場を広げている。
※写真は、2019年2月4日に福岡県豊前市で行われた寄贈式の模様。

2000

XJ900P海外白バイ開発

XJ900Pは、1999年当時、モーターサイクルの需要拡大が期待されていたアフリカ市場でのヤマハ製品の高いシェア維持とブランドイメージの確立を目的に、それまでのポリス車普及モデルFZ750Pに対する改良要望に応えながら開発されたモデル。
競合車を上回るプロテクションとアップライトポジションによる快適性確保、シャフトドライブ+空冷エンジンによるイージーメンテナンス化、大型サドルバッグや取締りメーターなどのポリス艤装充実化により、顧客が求めるポリス車両を具現化。
ベーシックだがポリス仕様としては必要充分な性能を有しており、さらに900ccと排気量を拡大しながらFZ750P並みの価格をも実現したことで好評を博し、現在でもアフリカ、中南米、アセアン地域においてコンスタントに年間600台前後を販売する、ロングセラーモデルとなっている。
※写真の中の服装は現地警察官の制服です。

2005

NewモデルTT-R50開発/TT-R50キット開発販売

ヤマハカスタマーの導入モデルという重要なポジションを担う、キッズ用バイクTT-R50。子どもが安全に楽しくバイク操作を学べるように、フットブレーキ、セミオートマチック3速ギヤを装備し、スキルの高いキッズにも満足してもらえるよう新型モデルを開発した。
実験と設計の一括請負開発体制により、子どもの体格や体力に適切な軽いシフト荷重の作りこみや取り回ししやすい車重と重心位置などの商品仕様を達成。キッズ用バイクは親から子どもへのプレゼントでもあるため、買い求めやすい価格を実現できるように海外製造とした。生産準備では製造、調達以外に開発部門も加わった体制を組み、コストダウンと品質作り込み活動を行った。TT-R50は20年近くにおよぶ息の長い商品となって全世界で販売され、将来のヤマハカスタマー育成に貢献している。

2006

FJR1300AP海外白バイ開発/グローバルに販売開始

欧州のヤマハ拠点が先鞭をつけた海外白バイ仕様の改装事業を効率よく拡大するため、量産工場で生産可能な仕様へアップデートを行った。ベースモデルであるFJR1300Aの基本装備はそのままに、パレード等の低速走行域でも速度維持が可能なクルーズコントロール、ユーザーの走行履歴のみならず、車速やサイレン使用の有無まで記録可能なドライビングモニター(オプション設定)といった専用装備を開発。
また、グローバル商材として欧州拠点とのマーケティング、調達連携を進め、各国への供給を実現した。

2007

セロー250「赤バイ」開発販売開始

ベースとなったセローのモデルチェンジに対応した赤バイを開発。排気量アップや始動性の向上、走破性の向上など機動力を強化した。
2011年の東日本大震災では赤バイの機動力が大いに発揮され、被災地でのいち早い情報収集や避難誘導、監視パトロール、救援の先導などで活躍した。この経験を基に、新規導入を進める自治体に向けても車載装備に合わせたカスタマイズを施し、これまでの特装車開発ノウハウを注ぎ込んで信頼性を高めた。
その後も、新型の警光灯とサイレンを搭載するなど進化を続け、社会の期待に応える“赤バイ”として認知拡大。後のオフロード白バイや災害支援バイクのニーズにつながった。

2011

大型教習車『XJR1300L』開発販売

FZX750L以来となる、全国教習所に向けた大型二輪教習車両として開発したモデル。
一部に限定導入されていたXJR1300教習仕様のモニター車に対する客先評価・要求のヒアリングにより、課題の明確化、開発項目の絞り込みを実施した上で開発に着手。
シートクッションの薄肉化による足つき性向上、メーターの速度スケールの変更や文字大型化による視認性向上、クラッチ耐久性向上など、教習生のユーザビリティに配慮するとともに教習所のニーズにもマッチした仕様を作り込んだ。
また、艤装部品調達からベース車両への艤装部品組付け工程、出荷検査・出荷まで一貫して当社のさまざまな部門が担い、大型教習車の量産化と艤装部品供給体制を構築した。

2011

モーターサイクル用通信アイテム開発(YDT)

当初の開発はECUの書き換えツール機能のみだったが、市場のお客様へのサービス向上につなげる機能を追加開発し、「見せるサービス」を実現するサービスツールを目指した。
現在では世界各国のサービスマンが使用し、ヤマハ発動機製品のメンテナンスに貢献している。また、毎年のヤマハサービスマンの整備技術選手権(WTGP)の公式ツールとしても活用されている。

2013

白バイ向けドライビングモニター開発販売

既存のECUとの通信技術(ハード、ソフト)をベースに、新たにGPSデータやUSB機器との連携をする技術を獲得。GPSユニットを搭載することで車両の位置情報を常時取得し、エンジンの状態、パトライトおよびサイレンの稼働情報を記録できる、白バイ向けドライビングモニター(ロガーユニット)を開発した。本ユニットにより、パソコン上での車両の日常管理を実現し、フランス警察車両の運用効率向上に貢献した。

2013

PAS GEAR CARGO開発

「PAS GEAR CARGO」の開発に当たっては、企画・設計・実験・製造準備までの一貫開発を行い、台湾工場での生産にて、コストダウン、小ロット生産を可能とした。

《「PAS GEAR CARGO」の主な特長》
1)当時、電動アシスト自転車業界で初めて三輪車と脱着式専用リヤカーの連結方式を採用した、配送業務専用モデル
2)脱着式専用リヤカーは簡単な操作で車体から取り外せ、そのまま台車としての使用が可能
3)リヤキャリア20kg、脱着式専用リヤカー100kg、フロントバスケット3kgの合計123kgの荷物の積載が可能
4)リヤカー連結方式により、三輪自転車同様の安定走行と容易な取りまわしを実現
5)車体がスイングすることでコーナーでもスムーズな走行が可能。三輪車の両後輪には大型フィン付ローラーブレーキを装備し、安定した制動力を発揮

2014

国内大型白バイ『FJR1300AP』開発販売

交通行政への社会貢献とブランドイメージ醸成を目的として、約17年ぶりに国内向けの参入が決まったヤマハ製白バイ。海外白バイ開発の実績があった当社が、商品開発を推進した。
乗車する白バイ隊員が誇りを持てる先進的なたたずまいをコンセプトに、インテグレートされたサイレンと赤色警光灯のデザイン、FULL-LEDの灯火器と赤色警光灯を新規開発。海外白バイ開発で培ったノウハウを用いて、ヤマハフラッグシップモデルであるFJR1300Aの運動性能をスポイルすることなく艤装部品を搭載し、短期間で開発を実現した。
FJR1300APは警視庁をはじめ全国各地の県警交通機動隊で使用され、取締りパトロールや東京オリンピックなどマラソンイベントの先導車として活躍した。

2014

オフロード白バイ『XT250P』/災害救援活動二輪車開発

セロー特装車の原点である赤バイの機動性や走破性が災害対応で評価されたことにより、白バイでも大規模災害時の道路交通情報収集や規制活動に向いたオフロードタイプを取り入れようとする動きがあった。それに対応したのが、日本初のオフロード白バイ「XT250P」である。
また、民間でも二輪車の機動性が注目されるようになっていたため、緊急車両装備を外した、災害救援活動用途の仕様も提案。開発先行していた白バイ仕様(一人乗り)との部品共用によるコストダウンを図りつつ、艤装を装備しながらも緊急時にはタンデム走行も可能な車両とするために、特に強度に工夫を凝らして設計を行った。

2014

YZF-R1用通信モニターリング機器開発

これまでに蓄積したECU通信技術、GPSデータ取得技術をベースに、YZF R1用の通信モニターリング機器を開発した。
レース使用時における付加価値を向上させる機能として、新たにスマートフォン連携を実現。スマートフォンアプリも同時に開発し、アマチュアレースや耐久レースに参加するヤマハユーザーの活躍に貢献した。この技術は、YZ向けパワーチューナーの後継機種にも展開している。

2016

海外白バイ『MT-09TRP』開発販売

ベースモデルが持つアジャイルな走行性能による市街地での機動性と、高速走行時の安定性を両立するために、特装車両としては初となる専用リヤアームを新設。ホイールベースの変更を行い、走行性能を追求した。この手法は、以降のトレーサーシリーズの基本骨格の原型となった。

2019

防衛省向け警務バイク『MTN320-P』開発

過去に当社で開発を行った陸上自衛隊向けの警務用バイクXJR400Rの後継モデルとして、市販モデルMTN320をベースに企画・開発。
企画段階では、お客様へのヒアリングや試作車による実機デモを行い、通常のポリスバイク艤装だけでなく、低速での車両先導がしやすいハンドルポジションへの変更や、不整地での駐停車を想定したスタンドの改良など、使用環境に合わせた細かい艤装設計と開発評価を行った。
当社の特装車両開発力が、高い評価につながったモデルだ。

2006

実験設備導入

当社の注力領域である小型エンジンの開発力向上を果たすため、自社として初めてとなる実験設備を導入した。目指したのは、先行/先導開発など受託領域拡大につながる活動の推進である。
実験設備を導入したことによる開発力の向上が、後のTT-Rシリーズの受託開発と並行した純正パフォーマンスキットの開発や、小型船外機開発に対する台上評価技術へのトライなど、開発受託領域の拡大に大きく貢献した。
また、シャーシ実験室では、特装車両の艤装機能評価や、開発車両の問題対策手法の探索と検証などの成果も上げている。
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