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ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

消防・防災製品 ヤマハモーターエンジニアリング株式会社

[E055]消防用 電動アシストホースカー/富士市消防本部 大淵分署様

直感操作と高い走破性で
迅速にホースをさばき消火に専心

[ 2025年5月取材 ]

消防車に、より隊員の負荷低減が期待できる資機材を積載する意向の静岡県富士市消防本部は、2025年2月、山間部が多い管轄区域の大淵分署に、県内初となる、消防用 電動アシストホースカー「X-QUICKER」を導入。率直な使用感を伺いに大淵分署を訪ねました。

今回お話をお伺いした富士市消防本部のみなさま。左から、警防課:澤木様、大淵分署:片山隊長、吉池様、望月様、田中様、古郡様

直感操作

シンプル操作で誰でもどこでも簡単使用

訓練で使用した限りでの印象と断った上で「従来機は、スロットル操作・方向・ブレーキ操作と一度に3つの動作を行わなければなりませんでした。中でもスロットル開度の調整が難しかったので、自分がアジャストするのではなく、ホースカーのほうが自分の動きに合わせてアシストしてくれるX-QUICKERは、進む・止まる・向きを変えるが直感的に行えて良いですね」と望月さん。

吉池さんからも「スイッチを入れて、あとは行きたい方向に引っ張るだけのシンプル操作が良い」と一体感のある操縦性について評価をいただきました。
さらに片山隊長も「私たちの仕事は、ホースの延長や運搬ではなく、消火活動であり、迅速に任務に当たれるので、体力を責務に傾注できます。大淵分署は山間部が多く、歳を重ねていくと体力に不安を覚えますが、X-QUICKERがあれば助かると思います」と話します。

また、田中さんからは「これまで人力手引きタイプしか使ったことがなく、後ろからサポートしてもらわないと動かせませんでした。X-QUICKERは、自分一人でスッと曳けたことが印象的でした」との声もいただきました。

大径の走破性

段差の乗り越えも軽々と

「ホースカーのタイヤ径が小さいと、段差を乗り越えるのに、2人がかりで片輪ずつ持ち上げなければならない場面があります。X-QUICKERは、タイヤ径が大きく、段差を乗り越えるのが、少しも苦ではありません。山間部を抱え、未舗装の傾斜地も多く、また住宅密集地と過疎地、そして工場地帯からなる大淵分署管轄内は、消防水利が偏在しているので、時に1km近くホースを延長することもあり、走破性の高さは心強い」と片山隊長。

また、古郡さんは「この乗り越し性の高さは、ホースカーとしてだけでなく、動力付きリヤカーとしても活用できそうです。消防車が入れない時に可搬ポンプを運び込むことがありますが、車が入れないような所は路面状況が悪く、重量物を持って歩くのは困難ですからね」と、自然でパワフルなアシストと大径タイヤを組み合わせたX-QUICKERの新たな用途への可能性について、話してくださいました。

幅狭の積載性

限られたスペースを有効活用

警防課・澤木さんによると「消火活動で使用する資器材は、ホースなどだけではなく屋内に進入しなければならないケースに備え破壊用器具をはじめさまざまな資器材があります。また、救助や救急の現場に出動することも多くあり、自然と積載品が増えがち」とのこと。

とはいえ、消防車のサイズを大きくすると、狭い道に入り込めなくなるため、「消防車に収納した際に左右にスペースが生まれ、空間を有効活用可能なコンパクトさもX-QUICKERを選択した決め手」と続けました。

モビリティとしての完成度

人が中心のものづくり

ホースカーは、左側から操縦するケースがほとんどであることから、X-QUICKERでは、ハンドルの左側を長めに設定。また、ホースカーに足を引っかけてしまわぬよう、ハンドルからホースカーまでのステアリング部もゆとりを持たせた長さにするなど、操縦者の居住性も重視しています。
その辺の使い勝手について尋ねると「全く意識せずに使っていました(笑)」と隊員のみなさん。「言われてみれば確かに、以前のものは、真っすぐ走ると足がホースカーに当たってしまうので、横歩きすることも。また、重量物を制動するためブレーキが効きすぎるのは当然と思い、操作の際にはガツンと掛け過ぎないように注意を払っていました。一方、X-QUICKERは、ボンベを背負って操作しても、足元を全く気にする必要がありません。ブレーキもしっかり効くのにコントロールしやすく、何も意識することなく使っていましたね」と隊員の望月さん。

自然でパワフルなアシスト制御のみならずホースカー自体の設計も含め、人が中心のものづくりが、厳しい現場で任務に当たる署員のみなさんを微力ながらもサポートできているようで安堵しました。

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